2018年3月26日月曜日

株式って新規公開株以外は "中古" だから、買っても企業を応援することにならないのでは?という疑問に対する考察

にほんブログ村 株ブログへ にほんブログ村 株ブログ 国際分散投資へ
にほんブログ村 株ブログ インデックス投資へ にほんブログ村 株ブログ 積立投資へ
にほんブログ村

こんにちは。キュウキュウです。
 さて、いきなり導入が古本市場の話からになります。古本市場に対する批判としてよく言われていることが、古本を買っても漫画家にお金が入るわけじゃないから、古本屋は悪だという論調です。これは古本界隈で定期的に話題になるようです。(参考:古本じゃなく新刊を買ってほしいなぁと漫画家が呟いたら、何故か叩かれた)また、つい最近漫画家サイドからも、古本はよろしくないという記事が発表され、話題になりました。(参考:漫画家、「メルカリで買った」と報告してくるファンに激怒) これらの問題を眺めながら、インデックス投資家としての私も他人事ではないなと思ったのでした。そしてタイトルの疑問につながっていきます。今回は、個人投資家が中古の株を買う行為も意味のある行為であるとする根拠を考察していきたいと思います。また、それらを通して古物市場もそんなに悪くないんじゃね?ということを明らかにしていきます。(漫画家さんの気持ちもわかるけど・・・)



株式を買ったお金は企業に流れないの?

一般に株式会社は株式を発行することで、株式市場から運営資金を調達します。それは新規公開株と呼ばれており、投資家は新規公開株を買うことでのみ、企業に直接出資することができます。ところで、通常株式を買うといえば、新規公開株を買うというよりもむしろ、証券会社を通じて、既存の企業の株式を買うことを指すように思われます。しかしながら、これは誰かが売った株式にすぎません。この場合、投資家のお金は別の投資家に流れるだけで、企業にはお金が入りません。つまり、株式市場の大部分は中古市場ということになります。なんだか、古本屋さんで古本を買っても、漫画家に直接お金が流れない構図と似ています。そして古本屋さんは、本を売る人と本を買う人を結びつけ、本の売値と買値に価格差(スプレッド)を設けることで、手数料収入を得ています。この古本屋さんも証券会社ととても似ています。証券会社でも株式の買値と売値にスプレッドを設けて、手数料収入を得ているのです。ダブルスタンダードな人でない限り、古本市場を悪と断じれば、株式市場も悪となり、株式市場もまた良しとするならば、古本市場もまた良しとなるのではないでしょうか。


株式市場を擁護する。中古市場のメリットとは?

 新規公開株を買う投資家は、配当利益だけを望んでいるわけではないと思います。売りたいときにいつでも売って、現金化できるから、新規公開株を買うのではないでしょうか。また、新規公開株は、公開と同時に、高騰する場合が多いようで、買ったそばから手放す投資家も多いように見受けられます。新規公開株をメインに投資されている投資家のブログを拝見しますと、そのような方が多く見つかります。しかし、もしも株式の中古市場が存在しなかったらどうでしょうか。現金化が著しく困難な株式を、本当に欲しいという人がどれだけいるのでしょうか。おそらく今の状況ほど簡単にお金は集まりますまい。そういうわけで、株式の中古市場が活発であればあるほど、新規公開株をほしがる投資家も増える思われます。それゆえ、たとえ購入した株式が中古であったとしても、その行為が株式市場の流動性を上げ、新規公開株を買い付ける投資家を増やし、間接的に企業にお金が流れるのです。


中古市場は消費行動を変化させる

 中古の株式を買っても、間接的に企業にお金が流れるので、それは投資したことになるというのが結論でした。そしてこのアナロジーは、すべての中古市場にもあてはまるかもしれません。例えば、メルカリの登場で、何でも簡単に出品することができるようになり、実際に消費行動にも影響を与えているようです。
(参考:"メルカリ後"の消費行動の変化とは?軍地彩弓さんと小泉が対談しました #メルカリな日々 2017/10/5) これは例えば、1万円のバッグを買う際、「中古市場で4000円で売れるから、実質6000円ね。それなら買おうかなあ」といった判断が日常的にされていることを意味します。普段1万円のバッグを買わなかった層の消費行動が変化してきています。逆に人気のない商品に中古市場は敏感に反応します。例えばおもしろくないゲームの中古価格はボコボコに安くなります。
 日経新聞では、このような状況を指して「1億総商人時代」と形容していたように思います。そしてこのような中古市場の形成は、クリエイターやメーカーにとって好ましいことです。商品の価値が、中古価格に速やかに織り込まれるので、なにが良くてなにが悪かったのか、分析することができます。また、中古市場があるからこそ、その中古市場から間接的にお金の流入が見込めます。あたかも株式の流動性を担保にして、新規公開株が売れる現象のようにです。

たとえ短期的に株価が下がっても、投資を継続すること

 そういうわけで、話題は中古市場一般にまで広がってしまいましたが、また株式投資に方向を修正します。日経平均株価が下がってくると、「投資しても意味ないんじゃね?」という悲観論が増えてくるように思います。しかしながら、上記考察で伝えたかったことは、株式投資には企業を支えるというしっかりとした意味があるよ!ということです。胸を張って積み立て投資を継続しましょう!


インデックス投資ランキング

2 件のコメント:

  1. 記事を拝読しました。
    企業が株価対策を重視するのは、増資したいときに金を集めやすくするためです。
    これに対し、古本は単純に書店の本が売れなくなるだけですから、著者も出版社も書店も苦々しく思っています。しかし、新刊の購入者が古本屋に売却するのは所有権の行使であり、法律上制限することができませんので(憲法の財産権侵害になります)、諦めているだけです。

    返信削除
    返信
    1. 貴重なご意見ありがとうございます!

      削除