2018年3月6日火曜日

バランスファンドは成績で1番になれない・・・別にそれでも良いと考える理由 ~~8資産均等のすすめ~~

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こんにちは。キュウキュウです。

 個別株はリスクが高すぎて敬遠し、そして、アクティブファンドも多くは市場平均に勝てないとわかり、最後にたどりついたのはインデックス投資でした。しかしインデックス投資ひとつとっても、アセットクラスが多く、その資産配分は悩ましい問題です。どのように資産を配分したら、成績が最もよくなるのでしょうか。以下の記事では、資産配分についてなるべく合理的に考察しながら、手間の少ない資産運用について述べます。





バランスファンドは成績で1番になれないとよく言われます。確かに原理的には1番にはなれないでしょう。しかしながら、運用成績で1番になるためには、以下のアセットクラス(8資産ないし、10資産)

国内株式
先進国株式
新興国株式
国内債券
先進国債券
新興国債券
国内不動産
先進国不動産
(新興国不動産)
(金等のコモデティ)

の中からどのクラスが今後一番上昇するかを予測して、それに全力投資する必要があります。

しかしそんなことできるのでしょうか。

もしかしたら、できる人もいるのかもしれませんし、まぐれあたりする人もいるかもしれません。

しかし・・・。1年ごとにどの資産が一番上昇するかは、また異なるのですから1番の成績を追い求めると、上記のただでさえ困難な予測を1年ごとに修正して、その都度100%集中投資していく必要があります。そして、それを30年間続けるのです。

いよいよ不可能な気がしませんか?

私は不可能だと思います。1/8の確率であたるくじを30回連続で当て続けるようなものです。(全部はずれの年もあります。その年はうまく予想して資金を引き揚げるのです)統計学的にとてつもなく起こりにくいことです。(1/8)^30 = 8.1×10^-28 %
=0.00000000000000000000000000081 %


さて、ここでインデックス投資家を100人、1000人と集めて、思い思いのアセットアロケーションを組ませて、30年運用することを考えます。みなさんこれだと思ったアセットアロケーションを組まれるでしょうが、1000人いたら1000通りの考え方があって普通です。そしてその場合、30年語にいやでも成績がつきます。1番成績がよかった人と1番成績が悪かった人です。

1番成績がよかった人は、上記のように、伸びる資産を結果的に当てられた人です。
その人はこれだと思った資産クラスに集中投資しているはずです。

1番成績が悪かった人は、結果的に伸びる資産を当てられなかった人です。というよりもむしろ、結果的にもっともマイナス成長した資産を当ててしまった人です。しかしこの人も1番成績がよかった人と投資行動が同じなのです。ある資産クラスに集中投資するという意味において・・・。

以下に8資産均等の年次パフォーマンスを引用します。
小さいので見にくいです。以下の引用元を参照することをお勧めいたします。
https://emaxis.jp/about/balance.html#tab2

この図からすぐにわかることは以下の通りです。

・どの資産の成績がその年で一番よいかは見事にバラバラ
・8資産均等は1番にならない代わりに、最下位にもならない!
・最も良くて3位になることも!
・8資産均等が12年の間にマイナスリターンだったのは3回だけ!
・最もリスクの低い資産は国債だけど、国債に集中投資するアセットアロケーションではリターンがあまり期待できない
・8資産均等のパフォーマンスは基本的には、株式のパフォーマンスに引きつけられる
・しかしながら、2010年、先進国株式が不調にも関わらず、不動産が爆上げしたので、結果的に8資産均等はマイナスリターンにならずに済んだ!

そういうわけで、8資産均等は見事に真ん中をとり続けるアセットアロケーションであることがわかります。

さて、もう一度、インデックス投資家を1000人集めた思考実験を思い出してください。投資家はそれぞれの想いや見通しを反映して、様々なアセットアロケーションを組みます。しかしながら、その中で、8資産均等バランスファンドに勝てる人はどれだけいるのでしょうか。がんばって、投資について勉強しても、8資産均等バランスファンドにざっくりと半分の人が負けると思われます。なんせ、8資産均等ファンドは平均を取りに行くのですから。真面目に考えてアセットアロケーションを組んで、それを、半年に1度リバランスして・・・という作業がなんだか馬鹿らしくなってきます。資産運用で1番になれるかどうかは、運の要素が強いからです。8資産均等を選ぶべき精神的な理由もあります。8資産すべてを買っておけば、どれかが爆上げしても「しめしめ」と思えます。逆にどれかが暴落してもダメージは1/8で済みます。とても精神衛生上よいことがわかりました。

ここで、有名なポートフォリオの期待リスクとリターンをまとめておきます。

・先進国株式
 期待リターン8.4%、期待リスク20.8%
・市場平均ポートフォリオ(日本株式:先進国株式:新興国株式 = 1:8:1)
 期待リターン8.2%、期待リスク20.3%
・GDP比分割ポートフォリオ(日本株式:先進国株式:新興国株式 =1:6:3)
 期待リターン8.5%、期待リスク21.0%

期待リターンはGDP比分割が最も高いですが、リスクも高く、投資効率はあまり変わらないと感じます。それよりも株式100%はいずれにしてもリスクが20%程度あるということです。これは、通常時でも-20%、暴落時-40%、もっとも悲観的な暴落では-60%あり得るということです。

それでは、8資産均等の場合、リターンとリスクはどうなるでしょうか。計算してみると、
期待リターン5.6%、期待リスク12.1%とでます。
単位リスクあたりのリターンが株式100%よりも高く、投資効率がよくなっていることを示します。この投資効率は元本割れリスクに直接効いてくるので、重要です。

ここで、主要な8資産均等ファンドについてまとめておきます。( )内は信託報酬です。

emaxis slim バランス 8資産均等 (0.22572%)
ニッセイインデックスバランスファンド(8資産均等型) (0.22572%)
つみたて8資産均等バランス (0.2376%)
たわらノーロードバランス(8資産均等) (0.2376%)
ifree8資産バランス(0.2376%)

いずれも投資対象がほぼ同じ(厳密にはベンチマークが一部違います)なので、運用成績に大差はないと思います。自分の使っている証券会社で選べるものを選びます。しかしながら信託報酬が0.22572と安く、さらに純資産が現段階で多いのは emaxis slim バランスです。人気の表れです。投信ブロガーからの評価も高いです。

たわらノーロードバランスは、現時点であまり人気がないのですが、イオン銀行のidecoに指定されたことより、これから人気がでてくる可能性があります。もともとたわらブランドは有名で、8資産均等はファミリーファンド方式なので、十分に大きいマザーファンドを持つたわらノーロードバランス(8資産均等)は問題ないかと思います。

ifree8資産バランスは、emaxis slim バランスの影に隠れている印象があります。しかしながら大和証券(有名どころですよね)が取り扱っており、つみたてNISA買い付けができることから、これから20年以上にわたってじわじわ人気のファンドになるのではないかと思います。ネット証券というだけで、拒絶反応を起こす人がいるのです。

つみたて8資産均等バランスはemaxis slim バランスと運用会社が同じなので、積極的に選ぶ意味がわかりません。しかしながら、ゆうちょ銀行で取り扱われているので、あまり投資に興味のなかった人でも手軽に買えます。

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