2017年11月25日土曜日

スマートベータとは何だったのか ウォール街のランダムウォーカーを読んで

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ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉――株式投資の不滅の真理
にスマートベータについて書いた章があった。投資について学んでいく過程でスマートベータという単語は聞いたことがあったが、一体何のことだったのかよくわからなかった。しかし、上記の本を読んで、私の理解は【当初の理解】→【現在の理解】へと変化した。

【当初の理解】
 インデックス運用は市場平均を取りに行くものである。通常、アクティブ運用をすると、様々な分析に基づいて株をトレードしていくわけだが、結局のところゼロサムゲームなので、誰かのもうけは誰かの損となる。つまり、平均よりも儲けたファンドがいる一方で、平均よりも儲けられなかったファンドが存在する。そうすると、平均よりも高いパフォーマンスを出すファンドに投資したいところだが、来年どのファンドが活躍するかは誰にもわからない。どうせ半分は負けるのだから、インデックス運用でいいじゃんってことになる。実際に統計を取ってみると、半分どころか大部分のアクティブファンドはインデックスファンドに勝てないようである。ますますインデックスファンドに投資したほうがお得ということになる。
 さて、アクティブファンドが狙っているリターンとは、市場平均プラスアルファだったわけだが、このアルファはアクティブファンドが取り合っているもので、結局のところゼロサムゲームなのであった。ここで登場するのが、スマートベータである。市場には、市場平均からのリターンの他に、ベータによるリターンが存在し、それを取りに行くことで、市場平均を上回ることができるというのだ。すごい!スマートベータすごい!これからはスマートベータの時代!!

【現在の理解】
 結局スマートベータとは何だったのか・・・。ウォール街のランダムウォーカーではその定義はあいまいであるとしているが、いくつかあるスマートベータ運用に共通する傾向性があるようである。それは、市場全体の中で、ある属性を持つ銘柄のみを集めて、インデックス化して、運用することで、市場平均以上のリターンが見込めるというのだ。ある属性とは例えば、バリュー株(割安株)、小型株、モメンタム株(勢い株、トレンド株)・・・等々のことである。
 確かにこれらの属性に基づいて運用すると市場平均を上回ることがあるらしい。しかしながら、銘柄の数を増やせば増やすほど(分散すればするほど)リスクが下がることを考慮すると、市場平均を狙い市場全体に投資するインデックス運用と、市場のごく一部に投資するスマートベータ運用とではリスクが同じとはいえまい。もしもスマートベータ運用がうまくいったとして、それはインデックス運用よりも高いリスクをとったことで実現したリターンなのかもしれない。しかし、これがまた重要なのだが、その年、数あるスマートベータ運用の中で、どれが平均以上のリターンをあげるか、予測することが不可能である。ゆえにスマートベータ運用をしたところで、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。インデックス運用以上のリスクをとったにも関わらず・・・。
 だったら結局インデックス運用でいいじゃないか。安定しているし。インデックスすげー!

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