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こんにちは。キュウキュウです。上記のようにつぶやくと結構反響があったので、記事にしようと思います。いまだに大量にはびこるカタカナ英語が、外国人にどれだけ通じるのか、どんな風に聞こえているのか、妻といっしょにいろいろ試してみました。ご査収ください。外国人の妻に、試しにカタカナ英語でしゃべってみて、どこまで聞き取れるか(伝わるか)試す遊びをしている。— キュウキュウ (@wshunya1) 2018年9月20日
背景 一部の中学校でカタカナ英語矯正教育が行われているらしい
実はtwitterでつぶやいたとおり、上記のようなことがありまして・・・。うそだろ・・・学校の英語の授業で "the" と発音すると、"the" じゃないでしょ!ザでしょ!って直されるらしい。塾生から聞いて衝撃を隠せない。#塾経営者の苦悩— キュウキュウ (@wshunya1) 2018年9月20日
中学校の英語教育が全部が全部こんなふうだとはさすがに思っていないのですが(ALTとペラペラしゃべる恰好いい先生だっていましたし)、一部でカタカナ発音の強制、カタカナ発音への矯正教育が行われているそうです。また、周囲の大多数の生徒や先輩も、カタカナ発音で話すらしく、より正確な発音になるように努力すれば努力するほど、(私の知っているカタカナと発音が違うので)間違ってると周囲からレッテルを貼られてしまいます。 それゆえ、先生の言うことをよく守る真面目な生徒ほど正しい英語が身につかず、損をしてしまいます。逆にリスニング教材や外国人から直接英語を学んだ(ある意味でロックな)生徒は、カタカナ英語になっていないという不当な理由で、正しく評価されていない可能性があります。このような英語教育は個人的に弊害でしかないと思うのですが、しかし生徒にそれを言っても仕方がないので、
「あなたは正しいし、多数決がいつでも正しいとは限らないし、そもそも世界の英語話者に比べて日本人のカタカナは少数派だから・・・。」
と励まし(なぐさめ?)ています。
外国人はカタカナ英語をどんな風に聞き取るのか リスニングテストをしてみよう!
方法
例文は「これで話せる!英語のバイエル[初級]」から抜粋したいくつかについて、あえてカタカナ英語で私が発音してみます。それを外国人の妻(エリー)が聞こえたとおりに書き取り、意味を推測するというリスニングテストを行いました。ちなみに、私が英語っぽくを意識して発音するとすべて正しく伝わりました。
結果
例文 I gave Taro a present. (私はタロウにプレゼントをあげた)
私のカタカナ英語: アイ ゲイブ タロウ ア プレゼント
エリーに聞こえた発音: Aigeibu taro a puresento.
英語らしく聴き取れた発音:Ai → I
時間がかかったけど推測できた:puresento→present
例文 He kicked the ball. (私はそのボールをけった)
私のカタカナ英語:ヒーキックドザボール
エリーに聞こえた発音:Hi-kikkudozabooru
英語らしく聴き取れた発音:なし
エリー談:まったく英語に聞こえなかったので、何を言われているのかさっぱり理解できなかった。また、カタカナ発音だと、単語と単語の区切れ目がわからないので、kikkudozabooruという知らない単語のように聞こえる。また、例え単語の区切れがわかったとしても、kickedとkikkudo、theとza、ballとbooruはつづりが全く異なるので、もとの英語を推測するのはとても難しい。
キュウキュウに He kicked the ball.という正解を教わったあと、改めて、ヒーキックドザボールと発音してもらったが、キックドザボールがあまりにも原形をとどめていなくて、笑ってしまった。
例文 I have three dogs.
私のカタカナ英語:アイハブスリードッグス
エリーに聞こえた発音:Aihabusuri-dokkusu.
英語らしく聴き取れた発音:Ai → I
エリー談:少し時間がかかったが、意味が分かった。しかし、それは私が日本語にも通じており、カタカナを知っているからの可能性が高い。アルファベットしか知らない外国人にとって、元の英文を復元するのは難しいと思う。
例文 The man smoking is my father.
私のカタカナ英語:ザマンスモーキングイズマイファザー
エリーに聞こえた発音:Zamansmokingizumaifada
エリー談:カタカナ発音は単語の区切れがよくわからなくなる。za からtheを復元するのはかなり難しい。ファザーからfatherを復元するのもかなりやばくて、普通はできない。
考察 通じない英語の作り方
1 子音で終わる単語に母音挿入
kicked → kikkudo
smoking → smokingu
ball → booru
のように余計な母音が挿入されると、通じなくなります。また発音しにくくなるだけでなく、単語の区切れ目がなくなってしまうので、余計に通じなくなります。
2 th を zやsで置換
the → zathey →zey
three → sree think → sink
上記のように、原形をとどめないほどつづりが変わってしまい、判別不能となります。逆に、thをdやtで代用するのはありだそうです。発音がとても似ているので、通じます。
the →de (ザよりもダに近い)
they →dey (ゼイよりもデイに近い)
three →tree
think →tink (シンクよりもティンクに近い)
3 RとL
RとLはなるべく区別した方がよいように思いますが、上記2つに比べると罪は軽いように思います。なぜなら、複数のアルファベットで構成される単語の1文字が別の文字に変わったとしても、文脈からなんとか推測できるからです。しかしながら、他の間違いと組み合わさると、かなり難しくなります。
4 発音記号əで表される発音をアやオで代用する
communicationの最後のtionのoをオと読んで、コミュニケーション
fashionのionのoをオと読んでファッション
いずれもかなり違和感があるようです。「ə」は日本語の「う」に近く、口を突き出さずに、ほとんどあけずに、「う」というと通じます。communicationはコミュニケイシュンと言うと聞き取ってもらえます。fashionはフェイシュンというと聞き取ってもらえます。
この「ə」の発音はかなりいろんなところに出てきて、でも日本人の思い込みにより、アだったり、オだったりと不遇な扱いを受けている発音だと思います。そういえば、冠詞の「a」も発音は「ə」なんですよね。
5 BとVの混同
evidenceをエビデンス。BとVは全く異なる音なので、通じなくなります。Vの発音とFの発音は似ているので、Fで代用すると通じます。
6 n, m ,ngの混同、混乱
日本人の多くは、n→「ん」、m→「む」、ng→「んぐ」だと思っている節があります。しかしながら、次のような意識が正しいように思います。n→「ん」、m→「ん」、ng→「ん」。すべて同じ「ん」です。実は日本人は3つのんを自然と使い分けています。n = 飛んでいく の「ん」 舌が上(歯の裏)に来ます
m = あんぱん のひとつめの「ん」 口が閉じます
ng = まんが の「ん」 鼻濁音の直前につく「ん」にあたります。口は開いていて、舌はどこにもついてないように思います。
それゆえ、たとえば、
someやTom は、サム、トム、ではなく、サン、トン(ただし口を閉じる)というと通じます。逆に、サム、トムのような発音は、母音挿入をやらかしています。(余談:人の名前の発音を間違うと、ちょっと変な空気になるよね。笑って許してくれる人ならいいけど。)
また、たとえば、
king もキングというと通じませんが、キンというと通じます。
現在進行形や動名詞の-ingはもちろん、イングではなく、インです。
そうそう、多くの日本人は卓球のピンポンだけは正しく発音できます。ping-pongなのに!
7 複合技
母音挿入や、thのs置換等のテクニックを駆使することにより、より複雑な通じない単語を作れます。
something → somusingu
someのeは発音せず、m (ン)で終わるのですが、あえて、uを挿入
thをsで置換
ingに母音uの挿入
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