2018年9月18日火曜日

長期投資でリスクは拡大するのか縮小するのか論争に愛を感じたので勝手に記事にします

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こんにちは。キュウキュウです。
 
 先日Twitterで、長期投資でリスクは拡大するのかそれとも縮小するのかを巡る議論を拝見しました。リスクは拡大するという捉え方も、リスクは縮小するという捉え方も、同じ現象を別の視点から切り取っただけなのですが、なぜそのような捉え方をするのか?その意図はなんなのか?と考察していくと、とても愛を感じてきたので記事にまとめます。

長期投資でリスクは縮小する論(マルキール)

ウォール街のランダムウォーカーより引用
 この手の議論でよく引用される図が上記です。横軸は投資年数、縦軸は年平均リターンのちらばり方を示します。この図の見方ですが、例えば横軸の10年に注目します。年平均の最大リターンは19.61%。平均値がだいたい10%、最悪だった人で-1.47%です。これはつまり次のようなことです。100万円を株式に投資して、たまたまタイミングよく買えた人は、年平均19.61%で増えたことになるので、
100万円 × 1.1961(1年目)×1.1961(2年目)×1.1961(3年目)×・・・×1.1961(10年目)
=100万円×1.1961^10
=599.34万円
というわけで、元本は約6倍に増えたことになります。
しかし、たまたま最悪のタイミングで100万円分の株式を買ってしまった人は、年平均1.47%で減ってしまったので
100万円×0.9853(1年目)×0.9853(2年目)×0.9853(3年目)×・・・×0.9853(10年目)
=100万円×0.9853^10
=86.2万円
というわけで、元本は13.8万円減って、13.8%が失われてしまいました。ここで、本当は10年間で-13.8%なのに、年平均にして-1.47%というのは、10年間を1年間にうすめているのだから、数字が小さくなって当たり前じゃないか・・・マルキールのリスク縮小論は気休めという批判は、マルキールの言いたかったこととちょっと違うように思います。マルキールは1年間、5年間、10年間、15年間とお金が株式市場にさらされる期間がのびればのびるほど、最悪のタイミングで株式を買付けた人の年平均リターンが、改善するので、20年間、25年間と長期投資できる人は株式の比率を上げても良いのではないか?と言いたかったのだと思います。

マルキールのリスク縮小論への愛ある懸念

 マルキールが言っているのは、長期的には株式から得られるリターンは期待リターンに近づくということです。しかしながら、1年あたりの標準偏差で計られるようなリターンのちらばり具合を示す量は、長期的に変化しないことに注意が必要です。それどころか、最悪のタイミングで株式を買った人と、最良のタイミングで株式を買った人の差は、年数に伴って拡大します。楽天証券の山崎先生「勘違いだらけの「長期投資」」に詳しく載っています。
そのため、もしも、
「マルキールは長期投資でリスクが小さくなるみたいなことを言っていたし、確かリスクって標準偏差だっけ、私は若いので株式100%でいいな」
と判断して投資を始めると、失望させられることになります。5年たっても、10年たっても1年あたりのリスクは変わらないため、資産額は大きく変動し、ちっとも標準偏差ではかられるリスクは縮小しないことを身をもって体験することになります。また、それどころか、たまたまタイミングよく株式を買ったあの人との差は縮まるどころか、ますます拡大して・・・。そして、年間の資産の変動に耐えられなくなって、株式を売ってしまうかもしれません。結局の所、個々人によって異なるリスク許容度に応じた投資が必要なように思います。

長期投資はリスクを拡大する論への愛ある懸念

 マルキールの図の実測値を、年平均ではなく、トータルリターンでとらえると、最も幸運だった人と、最も不運だった人の差は、年々拡大することがすぐにわかると思います。また理論的にも山崎先生の「勘違いだらけの「長期投資」」の図がとてもわかりやすいです。しかしながら、一部で、
「長期投資はリスクを拡大するので、短期投資のほうがよい」
という勘違いがあるようです。これは別にそんなことはなくて、マルキールのリスク縮小論に戻れば、長期的には株式投資から、期待リターンを抽出できる可能性が上がるよねと納得できると思います。

先人たちの知恵のまとめ

 長期投資をしても年率のリスク(標準偏差、ボラティリティ)は変化しません。それゆえ、毎年リターンがばらつき、資産の評価額はかなりの程度変動します。もしも変動に耐えられそうにないなら、はじめから現金や債券の割合を増やして、リスクを調整しておくことをおすすめします。しかしながら、株式投資から期待リターン程度を確実に抽出しようとするなら、1年では足りません。リターンのばらつきがあるからです。マルキールの図によれば少なくとも15年間は市場にさらしておく必要があるでしょう。
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